西式
せいしき
名詞
標準
文例 · 用例
この大きな魚漁家の娘の秀江は、疳高でトリックの煩わしい一面と、関西式の真綿のようにねばる女性の強みを持っていた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
原口さんは仏蘭西式の髭を生やして、頭を五分刈にした、脂肪の多い男である。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
一番|先へ来て、世話を焼いたり、愛嬌を振り蒔いたり、仏蘭西式の髯を撮んで見たり、万事|忙がしさうである。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
仏蘭西式の窓は床を去る事五寸にして、すぐ硝子となる。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
一番ひどいのは料理の事で、仏蘭西式の本場の板前よりも、馬鈴薯を油で揚げたのが好物で、いつもそればかりを旨そうにぱくついていたという事だ。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
で、小学校を出ると直ぐ東京へ送つたが、それも普通の女学校よりか仏蘭西式の学校を選んだ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
とりわけ酷いのは料理で、仏蘭西式の本場の庖丁加減よりも、馬鈴薯の天麩羅が好きで、何かといふとそればかりを頬張つた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
外目の祖父は雪の日の爐邊に可哀いい沖ノ端の孫を引きよせながら懷かしさうに佛蘭西式調練の小太皷の囃子を歌つて聽かす外にはまだ穉い子供に何らの讀書の權能をも認めて呉れなかつた。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫