筒形
つつがた
名詞
標準
文例 · 用例
そのレールの上を、今、円筒形の、途方もなく大きい列車が、まるで星に向つて放たれたロケットのやうに、遮二無二走つて行くのでした。
— 中原中也 『夜汽車の食堂』 青空文庫
そのうちに一つ、いつもとはちがって円筒形をした玉を込めているので、今度は何か変ったものが出るだろうと注意して見ていた。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
あの円筒形がその筒の軸と直角な軸の周囲に廻転しながら昇るという事と関係があるらしいとは思うが、本当の事は鍵屋の職人にでもよく聞いてみた上でなければ判断が出来ない訳である。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
昔は大きな火鉢に炭火を温かに焚いていたのが、今は煤けた筒形の妙なストーブのようなものが一つ室の真中に突立っていた。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
同じような筒形のものが整列し、それが数段に重なっている。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(2)』 青空文庫
円筒形の上の断面を楕円形に表わして、底面の方は直線でかいてしまう事が流行するようである。
— 寺田寅彦 『二科会展覧会雑感』 青空文庫
今送ろうと思う写真をゼラチンの膜に複写してこれを円筒形に巻き、筒の中心に軸をつけて廻転するようにする。
— 寺田寅彦 『写真電送の新法』 青空文庫
彼の眼には真佐子のやや、ぬきえもんに着た襟の框になっている部分に愛蘭麻のレースの下重ねが清楚に覗かれ、それからテラコッタ型の完全な円筒形の頸のぼんの窪へ移る間に、むっくりと搗き立ての餅のような和みを帯びた一堆の肉の美しい小山が見えた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫