湯垢
ゆあか
名詞
標準
scale (i.e. hard water coating in a kettle, etc.)
文例 · 用例
つつましき尿の香の滲み入るほとり、腐れたる酒類の澱み濁りてそこここの下水よりなやみしみたり、白粉と湯垢とのほめく闇にも青き芽の春の草かすかににほふ。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
眼の前の湯の中に動いてゐる微塵に似た湯垢の一つ/\にはかすかに虹の樣な日光の影が宿り、湯槽の縁から溢れ出る湯は同じくほがらかに日が當つて乾き切つてゐる流し場の一端に細い小波をたてゝ流れて行つてゐます。
— 伊豆西海岸の湯 『樹木とその葉』 青空文庫
それが湯垢やら硫黄やらでヌラ/\になつてゐた。
— 葛西善藏 『湖畔手記』 青空文庫
湯垢の香に私はしみた。
— 夢の総量は空気であった 『ふるさとに寄する讃歌』 青空文庫
湯垢が窪み窪みに溜つてぬるぬるして居ます。
— 江南文三 『佐渡が島のこと』 青空文庫
浴槽の底は天然の岩、その間から噴き出すのと、浴槽の辺を越して流れ込むのと、両方なので、底に湯垢がたまるということは無い。
— 石川欣一 『山を思う』 青空文庫
崕からも二、三箇所湯がにじみ出して、岩面に湯垢が木目のように附着している。
— 木暮理太郎 『秋の鬼怒沼』 青空文庫
孰れも湯垢が岩壁の面に奇怪なさまざまな線を描いている。
— 木暮理太郎 『黒部川を遡る』 青空文庫