打尽
だじん
名詞
標準
文例 · 用例
月曜には一網打尽の手はずなのだ。
— THE FINAL PROBLEM 『最後の事件』 青空文庫
独り奈何せむ、彼諸会社は皆正学と好事との二派を一網打尽せむと欲してゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
私は××県の者で御座いますが、私の友人で△△と申す者が個人的の特志で、日本政府の軍事探偵となりまして○○政庁の統治下に入り込んで活躍致しておりまするうちに、過般来、日本と○○政庁の外交関係が緊張致しました際、△△は部下十二人と共に一網打尽、引き上げられてしまいました。
— 夢野久作 『恐ろしい東京』 青空文庫
で、然るべき官等を授かり、地位も一級あがったが、すると彼は、密輸業者を一網打尽に検挙する案を提出して、その実行方法を自分に一任して貰いたいと願い出た。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
オランダの官憲は、急に法律を改正して、いっさいの集合はその一週間前に届出ろと命じて、ほとんど労働者の集合を不可能にした上に、さらに主なる首領等を一網打尽的に拘禁した。
— 大杉栄 『日本脱出記』 青空文庫
それより私は、好くもこう憎体な連中だけが寄集って自惚事を喋り合っているものだ、こんなところにあの一団が踏み込んだらそれこそ一網打尽の素晴しさで後くされがなくなるだろうに――などと思って、彼らの様子ばかりを見守ることに飽きなかった。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫
斯んなところにあの一団が踏み込んだらそれこそ一網打尽の素晴しさで後くされがなくなるだらうに――などゝ思つて、彼等の様子ばかりを視守ることに飽きなかつた。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫
あの鞄の中には我々同志の名簿がはいっていたんで、あれをもって行かれた日には我々は一網打尽に一人のこらず検挙られてしまうところだったのです」と言いながら彼は懐から小さい手帳をとり出した。
— 平林初之輔 『動物園の一夜』 青空文庫