疾視
しっし
名詞
標準
spiteful gaze
文例 · 用例
客を送り出でて満枝の内に入来れば、ベッドの上に貫一の居丈高に起直りて、痩尽れたる拳を握りつつ、咄々、言はで忍びし無念に堪へずして、独り疾視の瞳を凝すに会へり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
吾又何をか言はんじや」 彼は口を閉ぢて、貫一を疾視せり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
小むずかしい面相をして書物と疾視競したところはまず宜たが、開巻第一章の一行目を反覆読過して見ても、更にその意義を解し得ない。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
「チョイと番町まで」ト文三が叔母に会釈をして起上ろうとすると、昇が、「オイ内海、些し噺が有る」「些と急ぐから……」「此方も急ぐんだ」 文三はグット視下ろす、昇は視上げる、眼と眼を疾視合わした、何だか異な塩梅で。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
お勢はお勢で可笑しく下唇を突出して、ムッと口を結んで、額で昇を疾視付けた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
イヤ疾視付ける真似をした。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
ヤこれは飛だ失敬を申し上げました、アハハハ」 ト聞くと等しく文三は真青に成ッて、慄然と震え出して、拳を握ッて歯を喰切ッて、昇の半面をグッと疾視付けて、今にもむしゃぶり付きそうな顔色をした……が、ハッと心を取直して、「エヘヘヘヘ」 何となく席がしらけた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
疾視付けられた者は通りすがりの巡査で、巡査は立止ッて不思議そうに文三の背長を眼分量に見積ッていたが、それでも何とも言わずにまた彼方の方へと巡行して往ッた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の冷たい視線、まるで疾視しているかのようだった。
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彼は、人からの疾視を感じ、居心地が悪く感じた。
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その時、彼女の目に敵意、まるで疾視があった。
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