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居坐り

いすわり
名詞
1
標準
文例 · 用例
かの女は居坐りを直し、寒くもないのに袖を膝に重ねて青年の性の知れない寂寞が身に及ばないような防ぎを心に用意した。
岡本かの子 高原の太陽 青空文庫
彼等は居心地が良いのか、あるいは居坐りで原稿を取るつもりか、それとも武田さんの傍で時間をつぶすのがうれしいのか、なかなか帰ろうとせず、しまいには記者同志片隅に集って将棋をしたり、昼寝をしたりしていた。
織田作之助 四月馬鹿 青空文庫
身体が動かないから、心も働かないのか、心が居坐りだから、身体が怠けるのか、とにかく、双方|相び合って、生死の間に彷徨していたと見えて、しばらくは万事が不明瞭であった。
夏目漱石 坑夫 青空文庫
だから早く顋髯を生やして上下の釣合を取るようにすれば、顔の居坐りがよくなって動かなくなりますと答えた。
夏目漱石 思い出す事など 青空文庫
二十年|一日の如く働いて居るが月給も二十年|居坐りである。
正岡子規 病牀六尺 青空文庫
本郷の司馬道場に、居坐り婿となっております弟源三郎を、江戸まで送ってまいりました連中――これは、安積玄心斎なるものを頭としておりますが、そこへまた、国もとからも、一団の応援隊が入府いたしまして、目下江戸の町々に潜行いたしておる柳生の暴れ者は、おびただしい数でござります。
こけ猿の巻 丹下左膳 青空文庫
むつはそれをそっと抱いて網の外に出ると、いろりの處へ居坐り寄るようにして、煮えたつ鍋の中へぬくい卵を二ついれました。
林芙美子 クララ 青空文庫
こんどの部屋は落着いてゐるので、このまゝこゝへ居坐りたい気がします。
家族・親族宛 書簡 青空文庫