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名詞
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標準
文例 · 用例
囲炉裏に榾をさしくべ、岩魚の串刺にしたやつを炙りながら、山林吏が、さっき捨てた土饅頭は何だね、と案内の猟師に訊ねる、旦那、ありゃ飛の御大名の墳で、と右の一伍一什をうろ覚えのままに話す、役人は、そんな由緒のあるものと知ったら、何とか方法もあったものをと口惜しそうな顔をした。
小島烏水 梓川の上流 青空文庫
信濃の浅間山、飛の硫黄岳、遠くの火山から、吹きなぐれた灰でもあろうか……空は曇り切って、どんよりと、眠むそうな顔をしている。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
むかし戦国時代、飛の国司、姉小路秀綱卿が、いくさに負けて、夫人や姫君と共に、落ちのびるところを、追手に殺されたという、執念の谷に、執念ぶかい焼岳の煙が靡き、灰が降りかかるのである。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
灰で塗られた雪田は、風の吹きつけた痕らしく、おもてに馬蹄形の紋をあらわしている、焼岳の右の肩から遠くの空へ、飛の白山つづきの山脈が、広重の錦絵によく見るような、古ぼけた煤色をぼかしている。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
二 温泉宿から梓川に沿いて、河童橋を渡り、徳本の小舎まで来た、飛から牛を牽いて、信州へ山越しにゆく牧場稼ぎの人たちが、行き暮れて泊まるところだ。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
信州の山岳の中でも、御嶽や駒ヶ岳などは、古くから多くの登山者を有していたが、宗教が権威を失った今日では、新しい登山家は、種々の理由からして、日本アルプスの中でも、殊に飛山脈を選び、飛山脈の中でも、最高点の槍ヶ岳や穂高岳の特色ある火成岩の大塊は特に多くの人々を引きつけているらしく思われる。
小島烏水 上高地風景保護論 青空文庫
その時分上高地峡谷に入る人は、猟師の外に、稀に飛の蒲田谷から、焼岳を越えて来るか、あるいはその反対を行く旅人を見るに過ぎなかったのであろうと想像されるが、今日では夏日になれば、登山客がこの谷に多く群集して、数十年来の谷の主、老猟師嘉門次に呆れた眼を※らせるようになった。
小島烏水 上高地風景保護論 青空文庫
日本で一番名高いのは「越の白山」と古歌に詠まれた加賀(飛にも跨がる)白山(二六八七|米突)である。
小島烏水 高山の雪 青空文庫