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矢切

やぎり
名詞
1
標準
文例 · 用例
僕の家というのは、松戸から二里ばかり下って、矢切の渡を東へ渡り、小高い岡の上でやはり矢切村と云ってる所。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
矢切の斎藤と云えば、この界隈での旧家で、里見の崩れが二三人ここへ落ちて百姓になった内の一人が斎藤と云ったのだと祖父から聞いて居る。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
矢切の百姓なんぞは『アックリ』と申しましてね、皸の薬に致します。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
船で河から市川へ出るつもりだから、十七日の朝、小雨の降るのに、一切の持物をカバン一個につめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
茄子畑の事や棉畑の事や、十三日の晩の淋しい風や、また矢切の渡で別れた時の事やを、繰返し繰返し考えては独り慰めて居った。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
あなたのおっかさんがきまして、民や、決して気を弱くしてはならないよ、どうしても今一度なおる気になっておくれよ、民や……民子はにっこり笑顔さえ見せて、矢切のお母さん、いろいろ有難う御座います。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
戸村のお母さんは、民子の墓の前で僕の素振りが余り痛わしかったから、途中が心配になるとて、自分で矢切の入口まで送ってきてくれた。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
近所の釣り場所は大抵あさり尽くしているので、柴又の帝釈堂から二町ほど離れた下矢切の渡し場の近所まで出かけたのである。
大森の鶏 半七捕物帳 青空文庫