利く
きく
動詞
標準
文例 · 用例
その上僕の時代の学生や若者は、擬似恋愛をするような女友達もなく、良家の娘と口を利くようなチャンスは殆んどなかった。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
この間に快よく腹がすくので、晩酌の一合がすつかり利くといふわけである。
— 萩原朔太郎 『所得人 室生犀星』 青空文庫
これは山岳そのものの性質が立体で、遠見が利くからでもあるが、日本が全体において山岳国であることが解る。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
うちに下宿してる人たちでも、二三ヶ月すると、きっと肥って来るんですからね」「そう言ってましたよ、新屋でも、湯に沸かして入ると、リューマチに利くとか、とも言ってましたよ。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
かの国のある学者が、クラークが植物学について口を利くなどとは不思議だ、といって笑っておりました。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
そうかと云ってまた無理やりに嫌がる煎薬を口を割って押し込めば利く薬でももどしてしまい、まずい総菜を強いるのでは結局胃を悪くし食慾を無くしてしまうのがおちである。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
英國|製で、シイ・テツサア四・五|鏡玉、千百六十分の一|秒まで利くシヤツタア付の、手|札形レフレツクス、素人|用としては殆どこの上ないものといつて差支へないのだが、それで一時|盛返した熱も今は又すつかりさめきつて、それは空しく押入の奧でほこりにまみれてゐる。
— ――私の寫眞修行―― 『寫眞と思ひ出』 青空文庫
過日もね、お前、まったくはお前、一軒かけ離れて、あすこへ行くのは荷なんだけれども、ちとポカと来たし、佳い魚がなくッて困るッて言いなさる、廻ってお上げ、とお前さんが口を利くから、チョッ蔦ちゃんの言うこッた。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫