富岳
ふがく
名詞
標準
文例 · 用例
たとえば富岳三十六景の三島を見ても、なぜ富士の輪郭があのように鋸歯状になっていなければならないかは、これに並行した木の枝や雲の頭や崖を見れば合点される。
— 寺田寅彦 『浮世絵の曲線』 青空文庫
それが富岳の山容である。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
……御父君様は御今上様、御母君様は北畠氏、権大納言|師親様のご息女、民部卿三|位局親子様、……ご幼年から御聡明で御濶達、帝のご寵愛もおいちじるしく、ご兄弟様との御仲も御むつまじく、四方よりのご人望は富岳よりも御高く、御在しますところの御皇子様!
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
東海より朝日差すところ朝雲高くそびゆる富岳をもって象徴せられた日本は滅亡した。
— 永井隆 『長崎の鐘』 青空文庫
その状、あたかも富岳の群山連峰の上に屹立し、秀然として高く皓然として潔きと同一なり。
— 井上円了 『欧米各国 政教日記』 青空文庫
富岳も浅間も山気生動し雲をひらく如くであるが、真に山気の生動し真に雲をひらくものとはこの一物のほかには有り得ない道理なのだ。
— 坂口安吾 『女剣士』 青空文庫
高崎から平久里に滞在して洲ノ崎、白浜、野島の嶮路を跋渉して鏡ヶ浦に出るや遥に富岳を望み見た。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
富岳崩るといえども、刀水|涸るといえども、誓ってこの言に負かざるなり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫