待ち疲れ
まちづかれ
名詞
標準
文例 · 用例
特に國府津止の箱が三四|輛連結してあるので紅帽の注意を幸にそれに乘り込むと果して同乘者は老人夫婦きりで頗る空て居た、待ち疲れたのと、熱の出たのとで少なからず弱て居る身體をドツかと投げ下すと眼がグラついて思はずのめりさうにした。
— 国木田独歩 『湯ヶ原ゆき』 青空文庫
濱々の漁人は今其茅屋に久しい間の妻や娘を待ち疲れつゝ居るに相違ない。
— 長塚節 『彌彦山』 青空文庫
九時五分まで待ち疲れて戻る。
— 牧野信一 『五月のはじめ』 青空文庫
彼は待ち疲れて女の行つてゐる学校の傍を二時頃から三時頃にかけて暑い陽の中を歩いてみたが、その学校から沢山の女が出て来ても彼の女の姿は見えなかつた。
— 田中貢太郎 『水郷異聞』 青空文庫
彼は待ち疲れて女の往っている学校の傍を二時|比から三時比にかけて暑い陽の中を歩いてみたが、その学校から数多の女が出て来てもあの女の姿は見えなかった。
— 田中貢太郎 『水郷異聞』 青空文庫
「時刻を遅らせて小次郎を待ち疲れさせたのは卑怯な謀である」 と云う非難に対して武蔵は答えていない。
— 直木三十五 『巌流島』 青空文庫
彼は待ち疲れた腹立たしい氣持ちで夕餉を食べてゐると、かん子の足音がした。
— 横光利一 『悲しみの代價』 青空文庫
驛ではくみ子が、待合室の入口で待ち疲れたやうに立つてゐた。
— 林芙美子 『多摩川』 青空文庫