無気味
ぶきみ
名詞
標準
文例 · 用例
三造は、嵐の前の夕凪のやうに、無気味に静かである。
— 中原中也 『青年青木三造』 青空文庫
無気味な、末恐しい小僧たちだよ。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
―― 彼は、恐しい夢でも見てるような、無気味な気持に囚われながら、追っかけられながら、デッキのボースンの処へ駆けつけた。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
人間を塩で食うような彼等も、誇張して無気味がる処女のように、後しざりした。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
どちらかといえば、深谷のほうがこんな無気味な淋しい状態からは、先に神経衰弱にかかるのが至当であるはずだった。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
沼の表は、曇った空を映して腐屍の皮膚のように、重苦しく無気味に映って見えた。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
坑夫等はもちろん裸体で汗にぬれた膚にカンテラの光を無気味に反映していた。
— 寺田寅彦 『夏』 青空文庫
赤※の浮いた水には妙に無気味な感覚があつて、何処かの草むらから錦の色をした蛇でも這出しさうな気がした。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫