生蝋
きろう
名詞
標準
crude Japan wax
文例 · 用例
孫兵衛を前にして、年々十二万斤の産高、金にして二十三四万両の黒砂糖を、一手販売にさせることから、米、生蝋、鬱金、朱粉、薬種、牛馬、雑紙等も、一手に委任するから、力を貸してくれと、頼み込んだ。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
忍藻はとくに起きつろうに、まだ声をも出ださぬは」訝りながら床をはなれて忍藻の母は身繕いし、手早く口を漱いて顔をあらい、黄楊の小櫛でしばらく髪をくしけずり、それから部屋の隅にかかッている竹筒の中から生蝋を取り出して火に焙り、しきりにそれを髪の毛に塗りながら。
— 山田美妙 『武蔵野』 青空文庫
虹よりも、それから、しんきろうよりも、きれいなんだけれど。
— 太宰治 『HUMAN LOST』 青空文庫
「おれはしんきろうをみているのか知らん。
— LYKKENS KALOSKER 『幸福のうわおいぐつ』 青空文庫
なぜというにエリーザの今みたのは、しんきろうといってりっぱに見えても、それはたえずかわっている雲のお城で、人のいけるところではなかったのです。
— DE VILDE SVANER 『野のはくちょう』 青空文庫
するうち、エリーザはたかく空のうえに舞い上がって、しんきろうの雲のお城までもとんでいったようにおもいました。
— DE VILDE SVANER 『野のはくちょう』 青空文庫
何しろ、大島なんですからね、婦女が不断着も紋付で、ずるずる引摺りそうな髪を一束ねの、天窓へ四斗俵をのせて、懐手で腰をきろうという処だッていいますぜ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
おれのふところが痛むわけじゃねえから、死ぬ気で走っていきな」 行くほどに、走るほどに、首尾よく名人主従の駕籠は、日本橋の大通りを抜けきろうとするあたりで、完全に敬四郎たち一党の尾行からのがれました。
— のろいのわら人形 『右門捕物帖』 青空文庫