荒々しさ
あらあらしさ
名詞
標準
roughness
文例 · 用例
非常な速さで、誰も掛声ひとつ発するものとてもなく、唯不気味な息づかひの荒々しさが一塊となつて、丁度機関車の煙突の音と聞違ふばかりの壮烈なる促音調を響かせながら、一陣の突風と共に私の眼の先をかすめた。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫
非常な速さで、誰も掛声ひとつ発するものとてもなく、唯不気味な息づかいの荒々しさが一塊となって、丁度機関車の煙突の音と間違うばかりの壮烈なる促音調を響かせながら、一陣の突風と共に私の眼の先をかすめた。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫
Oの母には其樣な荒々しさが無い。
— 島崎藤村 『烏帽子山麓の牧場』 青空文庫
惨めな礦夫の生活をかいたもの、北海道の終身刑囚の脱獄、金龍館で、一時あれほど盛っていた歌劇団の没落と俳優たちや周囲の不良群の運命、等々――そのなかでも、離散した歌劇団の歌手たちに絡んだ、頽廃的な浅草の雰囲気を濃い絵具で塗り立てた作品の、呼吸の荒々しさと脈搏の強さには、庸三もすっかり参ってしまった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
私はこの作家によって意企されている美しい荒々しさというようなものが、八〇年代のロシア・インテリゲンチアの世界観に対して、新たな階級の感情として生れたゴーリキイの初期のロマンティシズムとは全く異った性質をもつものであると感じる。
— 宮本百合子 『一九三四年度におけるブルジョア文学の動向』 青空文庫
日本の自分たちの身の上に蒙った生活破壊のおそろしい被害は、中国の婦人たちの上にどんな荒々しさでふりかかっていたかということを知らされた。
— 宮本百合子 『世界の寡婦』 青空文庫
「煉瓦女工」は、荒々しく切なく、そしてあてどのない日本の下層生活を、その荒々しさのままの筆力で描き出して、一種の感銘を与えた。
— 宮本百合子 『婦人作家』 青空文庫
ことに心の平静をこぼちほしいままな荒々しさや働きのない懶惰な気分のなかに住むことは、もっとも不幸に感ぜられます。
— 倉田百三 『青春の息の痕』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日荒々しさについて考えている。
荒々しさという言葉は日本語で重要だ。
彼は荒々しさの意味を理解している。
この文には荒々しさが含まれている。