裡
り
名詞
標準
文例 · 用例
「どうせこの世は水の流れか空ゆく雲か……」Avalanche, veux-tu m'emporter dans ta chute ?〔雪崩よ、汝が落下の裡に我を連れよかし〕
— 九鬼周造 『小唄のレコード』 青空文庫
私は人の居ないところで、どこか内証に帽子を被り、鴎外博士の『青年』やハイデルベルヒを聯想しつつ、自分がその主人公である如く、空想裡の悦楽に耽りたいと考へた。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
それは私の空想裡に住む人物としても、当然選定さるべきの旅館であつた。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
父 父はその家族や子供等のために、人生の戰鬪場裡に立ち、絶えず戰つてなければならぬ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
夏の夜あゝ 疲れた胸の裡を桜色の 女が通る女が通る。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
霧の夜空は高くて黒い、親の慈愛はどうしやうもない、――疲れた胸の裡を 花瓣が通る。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
疲れた胸の裡を 花瓣が通るときどき銅鑼が著物に触れて。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
要するに芸術とは、自然と人情とを、対抗的にではなく、魂の裡に感じ、対抗的にではなく感じられることは感興或ひは、感謝となるもので、而してそれが旺盛なれば遂に表現を作すといふ順序のものである。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫