編目
へんもく
名詞
標準
文例 · 用例
私は子供の頃、いくら教えて頂いても、どうもうまく編めなかったが、その時のようにまごつき、そうして、恥ずかしく、なつかしく、ああもう、こうしてお母さまに教えていただく事も、これでおしまいと思うと、つい涙で編目が見えなくなった。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
粗末な丸テエブルのまはりに、編目のほぐれたりした椅子が三つ四つ。
— 南部修太郎 『ハルピンの一夜』 青空文庫
木瓜の枝のまわりに、若芽が一ぱい子供の毛糸のシャツのようにふく/\と暖かそうにかぶさり、而もその編目の間には美しい稚児の麦粒腫のような可憐な蕾が沢山潜んでいます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
暮い日は笠の編目を透して女の顏に細い強い線を描く。
— 長塚節 『土』 青空文庫
椰子の葉の粗い編目の間から、一羽の牝を届けるように頼まれたのだという。
— ※ 『南島譚』 青空文庫
編目の解けた黒髪が白い顔にパラパラと落ちかかつた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
「又始まった、いやなら行かなけりゃいいさ、いつでもあれだ我ままものだネエ」 母親はひったくる様に斯う云ってHと源さんに賛成をもとめる様に目をやったけれ共、二人ともよそを見てたもんでしまつのわるくなった目を籐椅子の編目をくぐらせてカーペットの花模様の上におっことした。
— 宮本百合子 『千世子』 青空文庫
」 ふかいつづら笠に面体は隠れて、編目の隙に、きらりと眼が光るだけだが、道中合羽に紺脚絆、あらい滝縞の裾を尻端折って、短い刀を一本ぶっ差した二十七八のまたたび姿。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫