不結果
ふけっか
形容動詞名詞
標準
failure
文例 · 用例
それの非常な不結果であったことはあなたも少しは知っていられるでしょう。
— ――或る私信―― 『橡の花』 青空文庫
勿論未熟者という意味のボク釣師と自ら言ったのは謙遜的で、内心に下手釣師と自ら信じている釣客はないのであるし、自分もこの二日ばかりは不結果だったが、今日は好い結果を得たいと念じていたのである。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
加うるに、肝心の屋敷の様子ならびに家族の者に関する内情はいっこうに存じ寄りがないというのでしたから、これはどうあっても不結果です。
— 生首の進物 『右門捕物帖』 青空文庫
其|父がわざとらしく自分を避ける様にして、面会を延ばすならば、それは自己の問題を解決する時間が遅くなると云ふ不結果を生ずる外に何も起り様がない。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
床の間に掛けた「郭子儀」の幅に、不結果な婚姻の罪をなんで着せたか――明治中期は封建的遺産を多分に保つてゐた。
— 長谷川時雨 『「郭子儀」異變』 青空文庫
その父がわざとらしく自分を避ける様にして、面会を延ばすならば、それは自己の問題を解決する時間が遅くなると云う不結果を生ずる外に何も起り様がない。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
そしてその間に私は、八百円が雑作なく出来たというような嘘を、河野の口から吉岡へ云わせることは、実際に出来もしなければ、よし出来たとて不結果に終るのみである、ということをはっきり感じた。
— 豊島与志雄 『好意』 青空文庫
外国交渉の不結果、随員の不和、言語の困難――これを一行総員百七名からの従者留学生を挙げて国を離れたことに思い比べ、品川の沖には花火まで揚げて見送るもののあった出発当時の花やかさに思い比べると、おそらく旅の末はさびしく、しかも苦い経験であったろう。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫