狸寝入り
たぬきねいり
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
feigning sleep
文例 · 用例
けれども、監獄に抛り込んである首謀者共が、深夜そうっと抜け出して来て、ブン殴っておいて、またこっそりと監房へ帰って、狸寝入りをしている、と云う考えは穿ちすぎていた。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
」と、これはまたつらい狸寝入り、陰陽、陰陽と念じて、わが家の女房と全く同様の、死んだ振りの形となった。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
そのあと、豹一がはいる番だが、豹一は狸寝入りして、呼ばれても起きなかった。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
海の表面の波は何やら騒いでいても、その底の海水は、革命どころか、みじろぎもせず、狸寝入りで寝そべっているんですもの。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
さうかと思ふと弥三郎が母の前で大いに酔つ払つて、軽口沁みた洒落などを飛した揚句、狸寝入りをしてゆくといふこともあるさうだつたが、そんな時には、いつも彼はポケツト判の「ハムレツト」を懐ろにして三日も家を空けた。
— 牧野信一 『好色夢』 青空文庫
夜になると苦し紛れにうちの人は大きな法螺を吹くもので、そして毎晩違ふことばかし云つてゐるもので、昼間は、工合が悪くつて――眠れないと薬をのんでまで、あゝして……」「大変なこと……」「もつと妙なことには、この頃ではうちの人は、わざとお酒に酔つた振なんかして――狸寝入りなんてすることもあるらしいのよ。
— 牧野信一 『お蝶の訪れ』 青空文庫
女房は己に秘密を知られたので狸寝入りをしていはしないかと思って、冷笑を浮べてその顔を見ていたが、益之助は何事も知らない容で何時までも穏かな鼻息をしていた。
— 田中貢太郎 『宝蔵の短刀』 青空文庫
私は「みさちゃん」と二度よんでみましたが、返事がないので、きっと狸寝入りをしてるんだろうと思って、そばへ寄って、頭にかぶっている布団をあげてみました。
— 平林初之輔 『アパートの殺人』 青空文庫
作例 · 標準
いくら呼んでも返事がないと思ったら、ただの狸寝入りだった。
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「おい、起きているのはバレバレだぞ。狸寝入りはやめろ」
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面倒な家事を頼まれないよう、彼はソファーで狸寝入りを決め込んだ。
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