冬木立
ふゆこだち
名詞
標準
barren trees in winter
文例 · 用例
この村の人は猿なり冬木立 田も畠も凍りついた冬枯れの貧しい寒村。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
その後に冬木立の逆様に映った水面の絵を出したらそれは入選したが「あれはあまり凝り過ぎてると碧梧桐が云ったよ」という注意を受けた。
— 寺田寅彦 『明治三十二年頃』 青空文庫
ティアガルテンの冬木立や、オペラの春の夜の人の群や、あるいは地球の北の果の淋しい港の埠頭や、そうした背景の前に立つ佗しげな旅客の絵姿に自分のある日の片影を見出す。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
それを聞いていると子供の自分の眼前には山ふところに落ち葉の散り敷いた冬木立ちのあき地に踊りの輪を描いて踊っているたぬきどもの姿がありあり見えるような気がして、滑稽なようで物すごいような、なんとも形容のできない夢幻的な気持ちでいっぱいになるのであった。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
どうどうと燃えあがる千本万本の冬木立ば縫い、人を乗せたまっくろい馬こあ、風みたいに馳せていたずおん。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
大方の冬木立は赤裸になった今日|此頃でも、樅の林のみは常磐の緑を誇って、一丈に余る高い梢は灰色の空を凌いで矗々と聳えていた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
十月末になると、山の紅葉も黒ずんで、汚くなり、とたんに一夜あらしがあつて、みるみる山は、真黒い冬木立に化してしまつた。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
私は二階の部屋でそれにもぐつて、この茶店の人たちの親切には、しんからお礼を言ひたく思つて、けれども、もはやその全容の三分の二ほど、雪をかぶつた富士の姿を眺め、また近くの山々の、蕭条たる冬木立に接しては、これ以上、この峠で、皮膚を刺す寒気に辛抱してゐることも無意味に思はれ、山を下ることに決意した。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
作例 · 標準
夕暮れの光が、葉を落とした冬木立を静かに照らしていた。
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カラスの群れが、ねぐらである神社の冬木立へと帰っていく。
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霧の立ち込める中、冬木立のシルエットが水墨画のように浮かび上がっていた。
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