放吟
ほうぎん
名詞
標準
文例 · 用例
高等学校のころには、頬に喧嘩の傷跡があり、蓬髪垢面、ぼろぼろの洋服を着て、乱酔放吟して大道を濶歩すれば、その男は英雄であり、the Almighty であり、成功者でさえあった。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
中にはめずらしい放吟の声さえ起こる。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
カッフエからでも出て来たらしい学生の一団が、高らかに「都の西北」を放吟しながら通り過ぎたかと思うと、ふら/\した千鳥足でそこらの細い小路の中へ影のように消えて行く男もあった。
— 加能作次郎 『早稲田神楽坂』 青空文庫
しかも書生が放吟し剣舞し、快と呼び壮と呼び、彼らをして怒髪天を衝かしむる者は、西郷・雲井らの詩ならざるべからず。
— 正岡子規 『人々に答ふ』 青空文庫
余放吟して曰く、泥炭地耕すべくもあらぬとふさはれ美し虎杖の秋 士別では、共楽座など看板を上げた木葉葺の劇場が見えた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
余放吟して曰く、泥炭地耕すべくもあらぬとふさはれ美し虎杖の秋 士別では、共樂座など看板を上げた木葉葺の劇場が見えた。
— 徳冨蘆花 『熊の足跡』 青空文庫
「山野に放吟し、鳥獣を友とするのも、なるほど一つの生き方であるかも知れない。
— 下村湖人 『論語物語』 青空文庫
如亭も江戸の人で生涯家なく山水の間に放吟し、文政の初に平安の客寓に死したのである。
— 永井荷風 『向嶋』 青空文庫