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謫居

たっきょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
海は少し遠いのであるが、須磨の関も越えるほどの秋の波が立つと行平が歌った波の音が、夜はことに高く響いてきて、堪えがたく寂しいものは謫居の秋であった。
須磨 源氏物語 青空文庫
源氏が日を暮らし侘びているころ、須磨の謫居へ左大臣家の三位中将が訪ねて来た。
須磨 源氏物語 青空文庫
二三年|前伊太利のカプリ島に謫居してゐた頃、日本人の学生がその近所に旅をしてゐる事を聞いて、日本人といふものはまだ見た事が無い、一度会つてみたいものだと、恰で動物園に新着の鸚鵡でも見るやうな物好きな気持で、その日本人に会つた事があつた。
大正五(一九一六)年 茶話 青空文庫
張はその前にひれ伏して、「どうか私の生命が延びるように、おとりはからいを願います」「いかん、俺は一度、漢朝の権臣の生命を延ばそうとおもって、奏請したために、ここへ謫居の身となっておる、帰れ」 張はここぞと思って一生懸命になって頼んでいると、一人の使がやってきて書簡を道士に渡した。
田中貢太郎 賭博の負債 青空文庫
蛇もまた人祖堕落の時まで駱駝ごとき四脚を具え、人を除けてはエデン境内最も美しい物じゃったが、禁果を偸み食った神罰たちまち至って、楽土諸樹木の四の枝が低れ下り、四つの罪人永く追いやられ、アダムはヒンドスタンに、エヴァはジッダに、蛇はイスパハンに、エブリスはシムナーンに謫居した。
蛇に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
夫人は出獄すると直ぐ夫の後を追うてパリーの謫居に赴き、再び窮乏艱苦の間に夫を慰めて、その著書の完成を奨励したのである。
穂積陳重 法窓夜話 青空文庫
例えば光源氏、須磨謫居の件にも、三月の節供に大きな人形――自分の姿に似せた人形を船にのせて流す描写がある。
折口信夫 雛祭りとお彼岸 青空文庫
獄中生活、謫居生活は或る点に於て羈旅と其趣を同じうする。
市島春城 読書八境 青空文庫