農神
のうじん
名詞
標準
文例 · 用例
又さうした理会の上に、古文献も、此農神の事を叙述してゐる。
— 魂と姿との関係 『小栗外伝(餓鬼阿弥蘇生譚の二)』 青空文庫
其が後には、人の行為に農神を感染させようとするものと言ふ風に考へて来た。
— 折口信夫 『「しゞま」から「ことゝひ」へ』 青空文庫
たとえば稲苅り終って後の農神祭には、土穂餅またはミヨセ団子などと称して、仕事場の臼のこぼれを掃き寄せたものを食料とし、夏のかかりの水の神祭には、小麦の粉をこねてボロソ餅などを製している。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
関東の一端から東北一帯、越後から能登半島にかけて、中部地方では岐阜県の大部分など、遠く離れては九州の外側にある村々でも、田神農神または作の神が、始めて田に降りたまう日は大体に旧暦二月の中頃ときまっている。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫
八戸市の郷土史家小井川潤次郎君などが、久しくこの問題に注意しているが、外南部一帯のかなり弘い区域では、このオシラ遊びの式日は、正月を加えて年に三度、もしくは三月九月の十六日、すなわちこの地方でいう農神降りと、農神|上りの日であって、それ故にまたオシラ様は農神のことと、思っている人も少なくないらしい。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
農神・作神もしくは国の神の、降り昇りという日に、各戸|祀りをするのは東日本の常の習いで、二月と十月との相対日というのが最も多いが、この辺は冬が永いので後先を切詰めて三月と九月にしている。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
八戸附近の老人の茶話では、農神さまは、春秋の往き返りに途中で必ず雪神とすれちがわれる。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
この農神をオシラサマ、或いはシラヤマ様ともいう者があって、処々の山の口に小さな祠があり、文字を用いぬ人々には、是とハクサン様とはまったく別の神であった。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫