霽間
霽間
名詞
標準
文例 · 用例
最後の隧道を抜けていよ/\上高地の関門をくゞつたとき一番に自分の眼に映じた美しい見ものは、昔から写真でお馴染の大正池の眺めではなくて、丁度その時雲の霽間にその全貌を現はした焼岳の姿と色彩とであつた。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
最後の隧道を抜けていよいよ上高地の関門をくぐったとき一番に自分の眼に映じた美しい見ものは、昔から写真でお馴染の大正池の眺めではなくて、恰度その時雲の霽間にその全貌を現わした焼岳の姿と色彩とであった。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
午後、霽間をちよつとポストまで、どうでも雨傘一本買はなければならない。
— 種田山頭火 『松山日記』 青空文庫
すぐ近い坂の上だといふ事で、風呂敷包を提げた儘、黄昏時の雨の霽間を源助の後に跟いて行つたが、何と挨拶したら可いものかと胸を痛めながら悄然と歩いてゐた。
— 石川啄木 『天鵞絨』 青空文庫
この道は、過ぐる夜、蛇滝の参籠堂を出た机竜之助の駕籠が、そこで、小雨と、月の霽間と、怪霧と、天狗と、それから最後に弁信法師の手引によって救われた甲州街道のうちの一つの隠し道であります。
— 白骨の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
一時の霽間はすぐに移ってゆく。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
頂上の岩にしがみ付いて霧の霽間を待っていたが、更に薄れ行く模様もないので、風下の岩蔭に休んでいた案内者人夫を励まして、心あての方向を指して下りに向った。
— 木暮理太郎 『大井川奥山の話』 青空文庫