紺紙
こんし
名詞
標準
文例 · 用例
この須弥壇を左に、一架を高く設けて、ここに、紺紙金泥の一巻を半ば開いて捧げてある。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
そして、その上には、紺紙金泥に、金襴の表装をした経巻一巻と、遺書を包んだ袱紗とが、置かれ、その机と、枕との間には、豊後国行平作の、大脇差が、堆朱の刀掛けに、掛かっていた。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
で、お経か何か礼にくれるものがあるならば貰いたいといいますと、喜んで〔紺紙金泥の〕経文四|帙とサッキャア・パンジットの拵えたチベット語の仏教辞典(筆記物)とその外二、三の書物をくれました。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
その経典は紺紙金泥及び梵語で記された多羅葉の類で、古代この寺を開いたサッキャア・パンジットという方がインドからして沢山経典を取り寄せられ、またその後もインドの方へわざわざ僧を派遣して沢山取り寄せた経典があるのですから、この中には非常に我々の参考に供すべき経文が沢山あるであろうと想像しました。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
戀のみぞ知る深き夜の祈祷は永劫に金泥の紺紙にきえぬ世のまこと、――あだしごころのえこそわかたね。
— 蒲原有明 『春鳥集』 青空文庫
銀紙と紺紙に包んで、あの戸棚の中にあるのが、南蠻物の大毒藥と、この家中で知らない者は一人もないよ」「――」 孝吉の話の眞實性に引摺られて、妙にシーンとしてしまひました。
— 三つの死 『錢形平次捕物控』 青空文庫
そらは無月、紺紙に箔をふきちらしたかのごとき星月夜、――五|遊星、北極星、北斗星、二十八|宿星、その光芒によって北条流軍学の星占いをたてているらしい昌仙は、しばらくあってのち、なにかひとりうなずいて、もとの席へもどり、呂宋兵衛にむかって、離散逃亡の急策をさずけた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
同じく第四に入れた紺紙も、岩坂の仕事を誇るに足りよう。
— 柳宗悦 『和紙十年』 青空文庫