何処ともなく
どこともなく異読 いずこともなく
副詞
標準
aimlessly
文例 · 用例
このような取り止めのない妄想に耽っている間に、老人の淋しい影は何処ともなく消え去った。
— 寺田寅彦 『凩』 青空文庫
こういう歌を大抵の人は、平凡である、稀薄である、素湯を飲むようであると云うのであるが、その淡然たる声調の上に何処ともなく、情緒のにじみが潤い出て居る。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
が、何処ともなく、柳に暗い、湯屋の硝子戸の奥深く、ドブンドブンと、ふと湯の煽ったような響が聞える。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
その濃緑の帷からは何処ともなく甘い香りと蜂の羽音とがあふれ出てひそやかな風に揺られながら私を抱き包んだ。
— 有島武郎 『フランセスの顔』 青空文庫
何処ともなく機織の音聞こゆ。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
第六 如是縁上 種子一粒が雨露に養わる 自分|妾狂しながら息子の傾城買を責る人心、あさましき中にも道理ありて、七の所業|誰憎まぬ者なければ、酒|呑で居ても彼奴娘の血を吮うて居るわと蔭言され、流石の奸物も此処面白からず、荒屋一トつ遺して米塩買懸りの云訳を家主亀屋に迷惑がらせ何処ともなく去りける。
— 幸田露伴 『風流仏』 青空文庫
…… かかる折から、柳、桜、緋桃の小路を、麗かな日に徐と通る、と霞を彩る日光の裡に、何処ともなく雛の影、人形の影がう、…… 朧夜には裳の紅、袖の萌黄が、色に出て遊ぶであろう。
— 泉鏡花 『雛がたり』 青空文庫
富岡老人はそのまま三人の者の足音の聞こえなくなるまで対岸を白眼んでいたが、次第に眼を遠くの禿山に転じた、姫小松の生えた丘は静に日光を浴びている、その鮮やかな光の中にも自然の風物は何処ともなく秋の寂寥を帯びて人の哀情をそそるような気味がある。
— 国木田独歩 『富岡先生』 青空文庫
作例 · 標準
彼は目的もなく、どこともなく歩き続けていた。
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休日には、どこともなくドライブに出かけるのが好きだ。
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どこともなく流れてきた歌声に、思わず立ち止まった。
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標準
somehow
作例 · 標準
どこともなく届いた手紙に、驚きを隠せなかった。
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彼の言葉はどこともなく私を励ましてくれた。
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その香りは、どこともなく心地よい気分にさせてくれる。
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