親思い
おやおもい
名詞
標準
love or affection for one's parents
文例 · 用例
親思いで、子煩悩で、友をなつかしがった。
— 寺田寅彦 『工学博士末広恭二君』 青空文庫
正直者の父は一目見るなり、ただもう震え上ってしまいまして……」 半三郎は無類の親思いらしく、父親と同じ程度に震え上がっているらしかった。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
こっそり洋室にのがれて来て、ひとりで泣いて、あっぱれ母親思いの心やさしい息子さん。
— 太宰治 『故郷』 青空文庫
しかし親思いで素直な心を持って生まれた君は、君を迎え入れようとする生活からのがれ出る事をしなかったのだ。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
可哀そうに、あれは大層親思いですから、あんな飛沫を喰うのです。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
そんなわけで、碌々に手習の師匠に通ったのでも無し、誰に教えられたのでも無く、云わば野育ち同様に育って来たのですが、不思議にこの姉弟は親思い、姉思い、弟思いで、おたがいに奉公のひまを見てはおふくろを尋ねて行く。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
低能児ながらも親思いであるということが、倉部巡査には取り分けていじらしくも思われて、彼が駐在所の前を通るたびにきっと声をかけて、かれの話し相手になってやった。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
ふだんから親思いであっただけに、毎日悲しそうな顔をしてそこらをうろうろしているのが近所の人たちの涙を誘って、あの児はこれからどうなるだろうとみんなが頻りにその噂をしていました。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫