水層
すいそう
名詞
標準
文例 · 用例
こはかれが家の庭を流れてかの街を貫くものとは異なり、遠き大川より引きし水道の類ゆえ、幅は三尺に足らねど深ければ水層多く、林を貫く辺りは一直線に走りて薄暗きかなたより現われまた薄暗き林の木陰に隠れ去るなり。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
しかしこの場合にも熱的対流が関係するか、それとも、単に流水層の渦層の器械的不安定によるものであるかは、今後の詳細な実験的研究によってのみ決定さるべきであろう。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
すなわち、数尺の鉛板あるいは百尺の水層を貫徹して後にも、なお機械に感じるのであるから、ビルディングの中の金庫の中にだいじにしまってある品物でもこの天外から飛来する弾丸の射撃を免れることはできないわけである。
— 寺田寅彦 『蒸発皿』 青空文庫
水は三か所へ落ちているにかかわらず、わが庭の水層は少し増しておった。
— 伊藤左千夫 『水害雑録』 青空文庫
水層はいよいよ高く、四ツ目より太平町に至る十五間幅の道路は、深さ五尺に近く、濁流奔放舟をもって渡るも困難を感ずるくらいである。
— 伊藤左千夫 『水害雑録』 青空文庫
水は三ヶ所へ落ちて居るに係らず、吾庭の水層は少し増して居つた。
— 伊藤左千夫 『水害雜録』 青空文庫
水層は愈高く、四ツ目より太平町に至る拾五間幅の道路は、深さ五尺に近く、濁流奔放舟を以て渡るも困難を感ずる位である。
— 伊藤左千夫 『水害雜録』 青空文庫
些し水層が増そうものならブクブク往生しようと云うんだ。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫