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駆廻

かけるめぐる
名詞
1
標準
文例 · 用例
此の書中の諸詩篇を、年代順に配列し直して読むならば、詩毎に、彼が駆廻つた短い道程、彼の旅行、彼の恋、彼の悲しい肉体を、熾な芸術家の申し分ない歎賞を以て、繰返す思ひがするのである。
中原中也 トリスタン・コルビエールを紹介す 青空文庫
昔その唐の都の大道を、一時、その何でござりまして、怪しげな道人が、髪を捌いて、何と、骨だらけな蒼い胸を岸破々々と開けました真中へ、人、人という字を書いたのを掻開けて往来中駆廻ったげでござります。
泉鏡花 朱日記 青空文庫
およそ薙刀を閃めかして薙ぎ伏せようとした当の敵に対して、その身構えが、背後むきになって、堂の縁を、もの狂わしく駆廻ったはおろか、いまだに、振向いても見ないで、胸を、腹部を袖で秘すらしい、というだけでも、この話の運びを辿って、読者も、あらかじめ頷かるるであろう、この婦は姙娠している。
泉鏡花 神鷺之巻 青空文庫
はあ、夢中で其処ら駆廻らしつたものと見える……それは山の上では無い。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
清仏戦争に砲烟弾雨の間を駆廻った祖の血潮は、たしかにこの馬の胸を流れておりました。
島崎藤村 藁草履 青空文庫
」 あらん限りの声をしぼって泣き叫びながら、妹思いの甲子は物狂おしく駆廻った。
水上滝太郎 九月一日 青空文庫
彼等が生きていて駆廻ったり蹂躙ったり、安眠を妨げたりするのを憎んでいる――とそんな風に考えた。
豊島与志雄 現代小説展望 青空文庫
『来年辺はカフカズへ出掛けようじゃありませんか、乗馬で以てからにあちこちを駆廻りましょう。
アントン・チエホフ Anton Chekhov 六号室 青空文庫