茹
茹
名詞
標準
文例 · 用例
卵に神経があるのだったら、彼は茹でられている卵だった。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
三時間か四時間の間に、彼は茹でられた菜のように、萎びて、嵩が減って、グニャグニャになっていた。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
雨のため、部屋の窓が全部しめ切られて在るので、蒸し暑く、私は酒が全身に廻って、ふうふう言い、私の顔は、茹蛸のように見えたであろう。
— 太宰治 『善蔵を思う』 青空文庫
皿と笊にもられていた一ツの茹卵も、一と切れの豚肉の油煮も残っていなかった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
場内は蒸暑さに茹だるようであった。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
最も饗膳なりとて珍重するは、長蟲の茹初なり。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
今来た入口に、下駄屋と駄菓子屋が向合って、駄菓子屋に、ふかし芋と、茹でた豌豆を売るのも、下駄屋の前ならびに、子供の履ものの目立って紅いのも、もの侘しい。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
茹栗、燒栗、可懷し。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫