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崖際

がけぎわ
名詞
1
標準
文例 · 用例
道は崖際を海となぞへに通つてゐた。
南部修太郎 修道院の秋 青空文庫
小男の頭は、この絶崖際の草の尖へ、あの、蕈の笠のようになって、ヌイと出た。
泉鏡花 貝の穴に河童の居る事 青空文庫
と見る間に箒ではきかけるやうなあわただしい雨、私があわてゝ逃げ込んだのは、山の手のとある崖際の家の歌舞伎門であつた。
岡本かの子 秋雨の追憶 青空文庫
彼女は少し離れた崖際の木の下にあまり雨にも濡れずに置き捨てられた様な一つの古いベンチを見出した。
岡本かの子 ドーヴィル物語 青空文庫
じめじめした秋の雨が長く続いて、崖際の茶の室や、玄関わきの長四畳のべとべとする畳触りが、いかにも辛気くさかった。
徳田秋声 青空文庫
ちょうど長火鉢のところから見える後庭の崖際にある桜の枝頭が朝見るごとに白みかかって来る時分で、落着きのない自分の書斎を出ると、気紛れな笹村の足はどこという的もなしにいろいろの方へ嚮いて行った。
徳田秋声 青空文庫
灯の影もみえない藪影や、夜風にそよいでゐる崖際の白百合の花などが、殊にも彼女の心を悸えさせた。
徳田秋聲 或売笑婦の話 青空文庫
そして、すぐ妹の死体を抱き上げたかと思うと、それを崖際へ持っていって、谷底を目がけて投げ込んだ。
佐左木俊郎 恐怖城 青空文庫