幻辞.com

随処

ずいしょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨にも、ただこの路をぶらぶら歩いて思いつきしだいに右し左すれば随処に吾らを満足さするものがある。
国木田独歩 武蔵野 青空文庫
…… うの花にはまだ早い、山田|小田の紫雲英、残の菜の花、並木の随処に相触れては、狩野川が綟子を張って青く流れた。
泉鏡花 半島一奇抄 青空文庫
従って、里道のカーヴに制せられてうねり曲り行く車の上の私たちは、随時随処に、眼に当る方向も身体に感じられる高低も移り変りまして、何だか平野の大きな掌の上に車ごと載せられて揺り遊ばされては周りを見せて貰っているような気がいたします。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
人は知らず、この温泉の口の奥は驚くべき秘密を有して、滝太郎が富山において、随処その病的の賊心を恣にした盗品を順序よく並べてある。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
湯の谷の屋根に処々立てた高張の明が射して、眼のあたりは赤く、四方へ黒い布を引いて漲る水は、随処、亀甲形に畝り畝り波を立てて、ざぶりざぶりと山の裾へ打当てる音がした。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
諸君が随処、淡路島通う千鳥の恋の辻占というのを聞かるる時、七兵衛の船は石碑のある処へ懸った。
泉鏡花 葛飾砂子 青空文庫
一より十六を正方格内に置いて縦線、横線、対角線、各隅、随処四方角、皆三十四になる。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
家鴨と※とは随処に出没するので殆ど無数という外はなく、尚、別に夥しい野良猫共が跋扈している由。
中島敦 光と風と夢 青空文庫