帯姿
おびすがた
名詞
標準
文例 · 用例
そのころの給仕人は和服に角帯姿であったが、震災後向かい側に引っ越してからそれがタキシードか何かに変わると同時にどういうものか自分にはここの敷居が高くなってしまった、一方ではまたSとかFとかKとかいうわれわれ向きの喫茶店ができたので自然にそっちへ足が向いた。
— 寺田寅彦 『コーヒー哲学序説』 青空文庫
伊達巻姿や、時とすると縄帯姿の、すこぶるだらしのないのもある。
— 大杉栄 『続獄中記』 青空文庫
殊に、単衣に兵児帯姿が、大西郷の人となりに適し、かねて、造形美術の本旨にも合す。
— 大町桂月 『鎌倉大仏論』 青空文庫
或る読売雑誌には、かっちゃんと呼んで断髪兵児帯姿の良子嬢をはったあんちゃんの一人が、いかにも町の若者らしい情感をもってかっちゃんがそこいらの女給などは夢にも知らぬカメラの話、ヨットの話、華美な夏の鎌倉の遊楽生活を話したりするをきいて、映画的憧れ心を強く刺戟されたことを物語っている。
— 宮本百合子 『花のたより』 青空文庫
真岡浴衣に兵児帯姿の自分は、こっそりその机をかかえこみ、二畳の妙な小室へ引っこんだ。
— 宮本百合子 『「処女作」より前の処女作』 青空文庫
電車の中も降りた駅の附近も今日は子供づれが多くて、天気の好い日曜のそんな四辺の空気に誘い出されたように、ずっと遠くまで見晴らしのきく線路沿いの堤の黒い柵のところで子供に電車を見せている兵児帯姿のいい年輩の男の人もいる。
— 宮本百合子 『杉子』 青空文庫
安達原では、八幡太郎の殿様姿や、貞任の束帯姿が、いつもの甲冑と違っているのに不審をした。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
この時の居士はかつて見た白木綿の兵児帯姿ではなく瀟洒たる洋服に美くしい靴を穿いていた。
— 高浜虚子 『子規居士と余』 青空文庫