ただの一度も
ただのいちども
表現
標準
(not) even once
文例 · 用例
そうして明治十八年に東京の士官学校附に栄転するまでただの一度も帰省しなかったらしい。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
昔から何ほど暴風が吹いても、この椎森のために、僕の家ばかりは屋根を剥がれたことはただの一度もないとの話だ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
『――僕の父は、あなたが生まれる五六年も前にアメリカへ渡ったのですが、それ以来ただの一度も日本へ帰らなかったことは、私の母をはじめ誰に聞き合せてみても、確な事実らしいのです。
— 渡辺温 『或る母の話』 青空文庫
さうして故右大臣さま御在世中は、ただの一度も京へおいでになられた事もなく、しんから鎌倉のお人になり切つて居られて、右大臣さまがあのやうな御最期なされたその翌日、荘厳房律師行勇さまの御戒師にて、ほとんど御家人のどなたよりもさきに御剃髪なさいました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
豊玉媛はあくる朝、そっと父の神のそばへ行って、「おとうさま、命はこのお宮に三年もお住まいになっていても、これまでただの一度もめいったお顔をなさったことがないのに、ゆうべにかぎって深いため息をなさいました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
海の神はそれを聞くと、あとで命に向かって、「さきほど娘が申しますには、あなたは三年の間こんなところにおいでになりましても、ふだんはただの一度も、ものをお嘆きになったことがないのに、ゆうべはじめてため息をなさいましたと申します。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
初めの約束では少なくも月に五、六度ぐらいは逢いに来てくれるはずでしたが、市野さんは大嘘つきで、その後ただの一度も顔をみせないという始末。
— 岡本綺堂 『水鬼』 青空文庫
「私、こんなことを、今までにただの一度もした覚えはないわ。
— THE YELLOW FACE 『黄色な顔』 青空文庫
作例 · 標準
彼は約束を破ったことが、これまでにただの一度もない。
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彼女は故郷を離れてから、ただの一度も里帰りをしていない。
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この難解なパズルを解けた者は、未だかつてただの一度も現れていない。
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