明界
めいかい
名詞
標準
文例 · 用例
」「そりやア、お前、觀察が足りないので――おれが「デカダン論」を書いた所以は、人間の光明界と暗黒界、云ひ換へれば、靈と肉とは自我實現に由つて合致されるものだと分つたのだ。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
暗黒面でなく、光明界を出さなければならない。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
たとへば、一刹那の奮勵を怠つた爲めに、天女となるべきものが長い蛇となつたり、また、暗黒の境に這入ると思つたのが、急に光明界の星となつたりする時を云ふのである。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
しかしそのほかの光明界に踏み止まった職業婦人――即ち第一の職業だけで満足し、且つこれを一生懸命護り固めて来た若い女性たちの大多数が、遂にその暗黒と光明を隔つる紙一枚の境を踏み破らなければならぬ時が来た。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
人間は暗黒を好む動物にはあらざるなり、常久不滅の霊は其故郷を思慕して、或時に於て之に到着せん事を必するものにてあればこそ、今日に到るまで或は迷信に陥り、或は光明界に出で、宗教の形、哲学の式、千態万様の変遷を経たるなり。
— 北村透谷 『各人心宮内の秘宮』 青空文庫
憶ふ昔、佐藤一齋の杉田觀梅記に感服のあまり、頓に遊意を催して、夜八時都を出で、明方杉田に着し、その日また直ちに歸路に就き、一晝夜を全く徒歩して辭せざるまでに思ひこがれたる地なれど、前後こゝに遊びし友、一半は渭樹秦雲と隔たり、一半は幽明界を異にす。
— 大町桂月 『杉田の一夜』 青空文庫
その光明界を眼ざして左門は歩いて行くように見えた。
— 国枝史郎 『血曼陀羅紙帳武士』 青空文庫
鶏鳴と共に顕明界に交替するからだ。
— 常世の国 『古代生活の研究』 青空文庫