死出の山
しでのやま
表現名詞
標準
mountain of death
文例 · 用例
今頃は死出の山路で峠越しでもやっておらなければならなかったが、幸いなるかな、身に寸毫の傷だも負わずして、危うき一命を取り止めた。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
博士 (朗読す)――紅蓮の井戸堀、焦熱の、地獄のかま塗よしなやと、急がぬ道をいつのまに、越ゆる我身の死出の山、死出の田長の田がりよし、野辺より先を見渡せば、過ぎし冬至の冬枯の、木の間木の間にちらちらと、ぬき身の槍の恐しや、――公子 (姿見を覗きつつ、且つ聴きつつ)ああ、いくらか似ている。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
「公(忠直)は湯漬飯を命じ近侍|真子平馬に膳を持たせ、立ながら数椀喫せられ、食終て公舒々と諸軍に向い、最早皆々満腹すれば討死しても餓鬼道へは堕ちず、死出の山を越して直ちに閻魔の庁に入るべし」と。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
死出の山辺に燈一つ見える、一つ灯にただ松一つ、一本松こそ場所|屈竟と、頃は五月の日も十四日、月はあれども心の闇に、迷う手と手の相合傘よ、すぐに柄もりに袖絞るらむ。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
死出の山辺の灯一つ見える、一つ灯に松ただ一つ、一本松こそ、場所屈竟と、頃は五月の日も十四日、月はあれども心の闇に、迷う手と手の相合傘よ、すぐに柄もりの袖絞るらむ…… 被布の抜衣紋で、ぐたりとなった、尼婆さんの形が、散らかった杯盤の中に目に見えるようで、……二階でまだ唄っている。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
御気分はくらくなって涙は昔の墨の跡に添って流れるのが、女房たちの手前もきまり悪く恥ずかしくおなりになって、古手紙を少し前方へ押しやって、死出の山越えにし人を慕ふとて跡を見つつもなほまどふかな と仰せられた。
— まぼろし 『源氏物語』 青空文庫
夏は郭公をきく、かたらふごとに死出の山路をちぎる。
— 鴨長明 『方丈記』 青空文庫
(第二)来世の迷信から、その妻子・眷属にわかれて、ひとり死出の山、三途の川をさすらい行く心ぼそさをおそれるのもある。
— 幸徳秋水 『死刑の前』 青空文庫
作例 · 標準
あの世には死出の山があると言い伝えられている。
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死出の山を越える覚悟で、困難に立ち向かった。
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彼は死出の山を越えて、平穏な世界へと旅立った。
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