実らす
みのらす
動詞
標準
文例 · 用例
――所謂常識とやらを外れたことだからね」「……しかし、なるほど動物も植物ももとは一緒だとしても、そんなに早く、人間にまで進化さすことが出来ますか」「適当な方法を使えば雪の降る日に西瓜を実らすことも出来る。
— 蘭郁二郎 『植物人間』 青空文庫
女性によって書かれたこの二種の本は、業績の相異とか資質の詮索とかを超えて結局は人類がその時代に潜められている様々の可能を実現し、花咲き実らすためには、どのような良心と、精励とが生活の全面に求められているかということについて、男性の生涯へも直接関係している一つながりの問題を示しているのである。
— ――「くれない」について―― 『はるかな道』 青空文庫
標高六千四百尺、昔、貴き聖が、この嶺の頂に立って、東に落つる水も清かれ、西に落つる水も清かれと祈って、菩薩の像を埋めて置いた、それから東に落つる水は多摩川となり、西に流るるは笛吹川となり、いずれも流れの末永く人を湿おし田を実らすと申し伝えられてあります。
— 甲源一刀流の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
この時に落ちていく花は競争に負けたのではなくして、太陽の光線との調和の為めに多く咲き、後には他を実らす為に犠牲になつたと考へたいと思ひます。
— 石川三四郎 『農民自治の理論と実際』 青空文庫
「でも、このあたりの畑も、今年はひどい不作でした」 百姓達に取っては、美しい自然の風景は、同時に食物を豊かに実らす土地でなければならないのだ。
— ――東北農村惨状報告書―― 『飢餓地帯を歩く』 青空文庫
その土地が、全く食物を実らすことが出来なければ、美しい自然も風景もあったものではないのだ。
— ――東北農村惨状報告書―― 『飢餓地帯を歩く』 青空文庫
その核または粒 grain(granum 実ることを意味する gerendo から出た)はそれが実らすすべてではない。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
われわれは、まだ、自分の手で作り出さなければならぬもの、また作り出し得るもの、自分の畑で実らすべき種を、悲しい哉、悉く彼等作者に仰いでゐるんだ。
— 岸田國士 『職業(教訓劇)』 青空文庫