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白綾

しらあや
名詞
1
標準
文例 · 用例
と見ると、藤紫に白茶の帯して、白綾の衣紋を襲ねた、黒髪の艶かなるに、鼈甲の中指ばかり、ずぶりと通した気高き簾中。
泉鏡花 伊勢之巻 青空文庫
中にも氏郷が小小姓名古屋山三郎、生年十五歳、天下に名を得た若者だったが、白綾に紅裏打ったる鎧下、色々糸縅の鎧、小梨打の冑、猩々緋の陣羽織して、手鑓提げ、城内に駈入り鑓を合せ、目覚ましく働きて好き首を取ったのは、猛きばかりが生命の武者共にも嘆賞の眼を見張らさせた。
幸田露伴 蒲生氏郷 青空文庫
宿直の侍は薫の脱いで行った艶な狩衣、高級品の白綾の衣服などの、なよなよとして美しい香のするのを着たが、自身だけは作り変えることができないのであるから似合わしくない香が放散するのを、だれからも怪しまれるので迷惑をしていた。
橋姫 源氏物語 青空文庫
柔らかい白綾の服の上に、薄紫の打ち目のきれいにできた上着などを重ねて、縁側に近い所へ、庭の植え込みを見るために出てすわっている姿は、決して醜い男だとは見えない。
東屋 源氏物語 青空文庫
小袖は二枚で、一枚は白綾、一枚は八端、それに血のあとが残っていると云いますから、恐らく吉良が最期のときに身につけていたものでしょう。
吉良の脇指 半七捕物帳 青空文庫
吉野は三十分許り前に盛岡から帰つて来た所で、上衣を脱ぎ、白綾の夏|直衣の、その鈕まで脱して、胡坐をかいた。
石川啄木 鳥影 青空文庫
吉野は三十分許り前に盛岡から歸つて來た所で、上衣を脱ぎ、白綾の夏|襯衣の、その鈕まで脱して、胡座をかいた。
石川啄木 鳥影 青空文庫
そして、朝になるのを待ちかねていた世高は、白綾の汗巾へ墨を濃くして七言絶句を書いた。
田中貢太郎 断橋奇聞 青空文庫