御愛想
ごあいそ
接頭辞
標準
文例 · 用例
ぐッと呑込んで、円輔はあたりを※し、「へへえ、成程、あいにく出懸けまして御愛想もございませんがね、どこへ、姐さんは。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
私は御愛想に、ずつとゐてくれと勧めたが、Oはきかなかつた。
— 二葉亭四迷 『嫉妬する夫の手記』 青空文庫
何ですかい、やっぱりあの御嬢さんが、御愛想に出てきますかい。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
」 小ぢんまりと悧巧な顏つきの、十八九に見えるのが、素早く机の上の原稿紙へ目を走らせて、御愛想をいつた。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
先頃の地震でいっそ一思いに潰れるか、焼けるかしたら、借金してもバラック位新築せねばならなかったでしょうが、無理さすまいとてか、地震は御愛想に私共の壁を崩し戸障子の建てつきを悪くしただけで往ってしまったので、当分現状維持です。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
致方がないから、あの時私は御愛想に滝の水を汲んで二人に薦めたのでした。
— 浅野和三郎 『霊界通信 小桜姫物語』 青空文庫
』 指導役のお爺さんはそんな御愛想を言いながら、教え子の少女に水をすすめ、又御自分でも、さも甘そうに二三|杯飲んでくださいました。
— 浅野和三郎 『霊界通信 小桜姫物語』 青空文庫
又ひとりは対欧策とか対支開発政策などゝいふ遠大な計画をたてつゞけにまくし立てられ間断なくチェリオとかプロジットとか叫びをあげ、時々は御愛想に笑ひ声のひとつぐらゐは立てなければならないと覚悟をかためる。
— 坂口安吾 『風人録』 青空文庫