読切
よみきり
名詞
標準
文例 · 用例
二日一晩に読切ってしまったっけ。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
予が本誌へ書き掛けた羊の話も例の生活問題など騒々しさに打ち紛れて当世流行の怠業中、未の歳も傾いて申の年が迫るにつき、猴の話を書けと博文館からも読者からも勧めらるるまま今度は怠業の起らぬよう手短く読切として差し上ぐる。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
そして彼の最大の不幸は、なにげなくその誌面をひらいたときに、中篇読切小説として「軍用鼠」なる見出しと、青年作家が恐ろしい形相をして、大きな鼠の顔を凸レンズの中に見つめているという怪奇な図柄とに、ぐっと呼いよせられたことであった。
— 海野十三 『軍用鮫』 青空文庫
私が八つ九つの頃に見たのは三冊五、六冊ぐらいの読切り物で、京伝種彦あたりの作が多かった。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
その他『弓張月』『朝夷巡島記』『侠客伝』『美少年録』等を初め、五、六冊読切の馬琴物は大概読んでしまった。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
例の通「真書太閤記」も一二節に芝居の衣をかけしまでにて、かたりに記せる修羅場の読切といへるには適すれども、むづかしき戯曲論など担ぎ出すべきものに非ず。
— 三木竹二 『明治座評』 青空文庫
又筏乗の市四郎は、只今では長野県へ参りまして、材木屋を致して居ると云うことを、五町田の百姓から私が聞いて参りました、其の儘取纒めた愚作でございますが、此のお話はこれで読切りに相成ります。
— 三遊亭圓朝 『霧陰伊香保湯煙』 青空文庫
これで粟田口のお話は読切に相成りました。
— 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分) 『粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)』 青空文庫