退職手当
たいしょくてあて
名詞
標準
文例 · 用例
半年ほど前に三ヶ月の退職手当を貰って、××会社から路頭へほうり出された私は、ちょうどねじをまかれた時計が一定の時間だけ動いていて、ある刹那にぱったり動くのをやめてしまうような具合に、ぴたりと行き詰まってしまったのである。
— 平林初之輔 『動物園の一夜』 青空文庫
映画会社には恩給制度、退職手当に関する制度がほとんど行なわれていない。
— 伊丹万作 『映画界手近の問題』 青空文庫
なぜならば彼らには退職手当というものがないから。
— 伊丹万作 『映画界手近の問題』 青空文庫
ここらで映画の前途に見きわめをつけて、そろそろ手を引く事業家が出てくるかもしれぬが、もしそんなことがあつても、このような多難な時期に映画を見捨てる人に対して、五十万円だの百万円だのという退職手当は出さないでもらいたい。
— ――情報局の映画新体制案について―― 『思い』 青空文庫
クビになったら、又別の口はなかなか見つからず、退職手当と云ったって、涙金です。
— 宮本百合子 『「我らの誌上相談」』 青空文庫
先ず陸軍大臣が保健省設立を提案するという興味ある形で今日とりあげられている青年男女の体格低下の問題や、婦人労働者の退職手当金の問題、又頻々たる心中事件の意味など、恋愛論が、恋愛論の枠の中を廻っていただけでは解決し得ぬ先行的事情が、附随してとりあげられなければ、実際性は稀薄なのである。
— 宮本百合子 『もう少しの親切を』 青空文庫
例えばいろいろな火災保険であるとか、戦時保険であるとか、また、退職手当というものも、大分使い果してしまっているのであります。
— 宮本百合子 『幸福について』 青空文庫
若い頃から独りで倹約く暮らして来たマッキンタイア教授は、俸給の貯蓄に退職手当が加わって、鳥渡した金額に達しているのである。
— 牧逸馬 『斧を持った夫人の像』 青空文庫