禁戒
きんかい
名詞
標準
文例 · 用例
しかし豆畑へはいるのがいやでわざわざ殺されたというのが本当だとすると、それは胃に悪いとか安眠を害するとかいうだけではなくて、何かしら信仰ないし迷信的色彩のある禁戒であったであろう。
— 寺田寅彦 『ピタゴラスと豆』 青空文庫
このピタゴラスの話がまるで嘘であるとしても、昔のギリシャかローマに何かそれに類する「禁戒」「タブー」「物忌み」といったようなものがあったのではないかという疑いをおこさせるには十分である。
— 寺田寅彦 『ピタゴラスと豆』 青空文庫
古今風俗の違いもあるべきが、支那より西に当って蛇を食う民を捜すと、『聖書』に爬虫類を啖う禁戒あれば、ユダヤ教やキリスト教の民でまずはない。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
必ず禁戒をまもるとしもなけれども、境界なければ何につけてか破らむ。
— 鴨長明 『方丈記』 青空文庫
尊敬が戸を閉ぢて、杜五郎が門を鎖さんには、友なきを友とし、貧しきを富めりとして、五十年の頑夫自ら書き、自ら禁戒となす。
— 島崎藤村 『芭蕉』 青空文庫
阿片宿の門額には「阿片禁戒所」と掲示されてゐる。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
知ればこそ、之に抵制を試み、之に禁戒を加へたのである。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫
かくてさきの抵制や禁戒も、何時となく弛緩して、結局は復讎が公認に近くなり、割股が旌表を例とするに至るので、支那官憲の不徹底を非難する前に、一應はその孝道を尊重する衷情を諒とせなければならぬ。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫