悖
悖
名詞
標準
文例 · 用例
恋の真剣と妄執とは、その現実性とその非可能性によって「いき」の存在に悖る。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
さて意志にばかり依拠することは、そのことが既に芸術の方則に悖ることとなるのである。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
◯十一節―十九節は、自然界の事象を三度引例して神に悖る者の必滅を主張したのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
しかして十三節に「神を忘るる者の道はすべてかくの如く、悖る者の望は空しくなる」とありて、神を忘れ道に悖る者は旱魃時のこの二つの草の如く、その繁栄一朝にして消え失すとの意を述べている。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
◯ビルダデは右の如くに説きて、ヨブが神を忘れ道に悖りしためその繁栄一朝にして失せたのであると主張したのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
三つには罪性の空なる道理を悟って、道理に悖る執着の己れを捨て放つことである。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
」 二十五 恩になる姫様、勇美子が急な用というに悖い得ないで、島野に連出されたお雪は、屠所の羊の歩。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
今大王北平に拠りて数群を取りたもうと雖も、数月以来にして、尚迷を執りて回らず、小勝を恃み、大義を忘れ、寡を以て衆に抗し、為す可からざるの悖事を僥倖するを敢てしたまわば、臣大王の為に言すべきところを知らざる也。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫