楽します
たのします
動詞
標準
文例 · 用例
魔神を慰め楽しますものゝ、美女に代へて然るべきなら立処に返し得さする。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
このパフォーマーが、客を楽します楽します。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
書物とてここには一冊もなく、耳目を楽します何物もなく、一日一日自分の肉体を蝕ばむ業病と相対しながら、ただ手を束ねて無為に過すことの苦しさは、隣りの男とでも話をする機会がなければ発狂するの外はないほどのものである。
— 島木健作 『癩』 青空文庫
然れども是等は、特性の快楽を挙げたるのみ、若し通性の快楽をいふ時は、美くしきものによりて、耳目(Sight and hearing)を楽しますことにあり。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
母は、彼女を生かし、楽しますために周囲の人々が日夜つくしている心づかいや努力を、そのものとして感じとり評価する能力は失ってしまっていた。
— 宮本百合子 『母』 青空文庫
三浦環は三浦政太郎の妻として日本にとどまるべきか、それとも欧米でプリマドンナとして活躍出来るたった一人の日本の婦人だから、再び欧米へ行ってオペラをやって世界の人々を楽しますべきか、というのです。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
――娯楽は社会生活に於ける建築の一種で、エヤバウエン(Er-bauen)(教慰)し、ビルデンし(教育し教養を与える)、ウンテヤハルテンする(Unterhalten――下から支える)(楽します)ものなのだ。
— ――民衆と娯楽・その積極性と社会性・―― 『娯楽論』 青空文庫
現在の東京はまだ震災のあとがまざ/\と残っていて、それ等の建築も上京して来た旅人の心を楽しまするには足らぬであろう。
— 高浜虚子 『丸の内』 青空文庫