綿雲
わたぐも
名詞
標準
fleecy clouds (esp. cumulus clouds)
文例 · 用例
〔郡属伊原忠右エ門〕宮沢賢治郡属伊原忠右エ門科頭にゴムの靴はきて冬の芝生をうちよぎり南ちゞれし綿雲に雨量計をぞさゝげたる天狗巣病にはあらねどもあまりにしげきこずゑかな
— 宮沢賢治 『〔郡属伊原忠右エ門〕』 青空文庫
コバルトの空には玉子色の綿雲が流れて、遠景の広野の果の丘陵に紫の影を落す。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
湖上の景色見飽かざる間に彦根城いつしか後になり、胆吹山に綿雲這いて美濃路に入れば空は雨模様となる。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
今越えし山に綿雲かゝりて其処とも見え分かず。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
空はもう半ば晴れていたが千切れ千切れの綿雲が嵐の時のように飛んでいた。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫
アカシヤの梢に綿雲が一杯にかかる。
— 宮澤賢治 『うろこ雲』 青空文庫
低い綿雲が垂れ下がって乙供からは小雨が淋しくふり出した。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
太陽は綿雲の下に蓋はれ、人影の散々としてゐる池の端の上空には、博覽會の輕氣球がさびしげに浮んで居た。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫