余儀
よぎ
名詞
標準
another method
文例 · 用例
落第や其の他の事情で土地の学校を出て他所に転校を余儀なくされた彼は、わざわざ、もう暑中休暇も終るといへば、また立つて行くのだ。
— 中原中也 『分らないもの』 青空文庫
もちろんその事情の第一番は、僕の孤独癖や独居癖やにもとづいて居り、全く先天的気質の問題だが、他にそれを余儀なくさせるところの、環境的な事情も大いにあったのである。
— 萩原朔太郎 『僕の孤独癖について』 青空文庫
そして帽子をさらわれないために間断なき注意を余儀なくさせられた。
— 寺田寅彦 『電車と風呂』 青空文庫
勿論老父母の得心でない、暫く父母に背くの余儀なきを信じて出走したのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
十年許り前に親父が未だ達者な時分、隣村の親戚から頼まれて余儀なく買ったのだそうで、畑が八反と山林が二町ほどここにあるのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
* * * 民子は余儀なき結婚をして遂に世を去り、僕は余儀なき結婚をして長らえている。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
従って科学者は自分の研究以外の事で常に忙しい想いをするように余儀なくされる。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
一種の人質となって多年江戸に住んでいることを余儀なくされた諸大名の奥方や子息たちは、われ先にと逃げるように国許へ引きあげた。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫