手道具
てどうぐ
名詞
標準
文例 · 用例
頭を洗うし、久しぶりで、些心持も爽になって、ふらりと出ると、田舎には荒物屋が多いでございます、紙、煙草、蚊遣香、勝手道具、何んでも屋と言った店で。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
村々の蔀、柱、戸障子、勝手道具などが、日永に退屈して、のびを打ち、欠伸をする気勢かと思った。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
背後に三段ばかり棚を釣りて、ここに鍋、釜、擂鉢など、勝手道具を載せ置けり。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
それでも座敷の装飾や勝手道具などの何でもないやうな処に矢張如何にも先生らしい雰囲気を感じて、中学時代の昔をなつかしく思出すのであつた。
— 寺田寅彦 『蓑田先生』 青空文庫
たくさんにある手道具や華奢な工芸品は少しも持って行かない。
— 須磨 『源氏物語』 青空文庫
源氏の使っていた手道具、常に弾いていた楽器、脱いで行った衣服の香などから受ける感じは、夫人にとっては人の死んだ跡のようにはげしいものらしかった。
— 須磨 『源氏物語』 青空文庫
手道具なども昔の品の使い慣らしたりっぱな物のあるのを、生物識りの骨董好きの人が、だれに製作させた物、某の傑作があると聞いて、譲り受けたいと、想像のできる貧乏さを軽蔑して申し込んでくるのを、例のように女房たちは、「しかたのないことでございますよ。
— 蓬生 『源氏物語』 青空文庫
西向きの座敷が姫君の居間として設けられてあって、小さい室内の装飾品、手道具がそろえられてあった。
— 薄雲 『源氏物語』 青空文庫