死に水
しにみず
名詞
標準
water given to a dying person
文例 · 用例
飲みたい死に水も飲まずに死にましたか。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
僕の死に水を取つて呉れるものは、お千代だよ』 この一言に、僕は胸がカラリと晴れた。
— ――反逆児の悩みを語る―― 『幸徳秋水と僕』 青空文庫
お千代さんが名古屋から出て来て、病弱な身で、差入物万端世話して居ると聞いた時、僕は「死に水を取つてくれるのは、お千代だよ」というた時の顔を思うた。
— ――反逆児の悩みを語る―― 『幸徳秋水と僕』 青空文庫
」 清君は歯をくいしばって、だんだん凍えてくる手で、必死に水をかきわけた。
— 平田晋策 『昭和遊撃隊』 青空文庫
それを知ると少女たちの声はひとしきり必死に水と助けを求める。
— 峠三吉 『原爆詩集』 青空文庫
わたしは、君だけに死に水をとつてもらへばいい。
— 人生の最も厳粛であるべき瞬間に、わたくしがもし笑ひの衝動をおさへることができぬとしたら、いつたいどんな罪に問はれるであらう? 『カライ博士の臨終』 青空文庫
彼にはどうしても、何かの間違ひであゝした人間の死に水をとつてやらねばならないやうになつたのだとしか考へられなかつた。
— 下村千秋 『泥の雨』 青空文庫
そういう貴重な畳までも運び出して、泥まみれになって必死に水を食い止めようとした人々の姿が、目に見えるようであった。
— 中谷宇吉郎 『亡び行く国土』 青空文庫
作例 · 標準
祖母の最期に、家族は看病しながら死に水を与えた。
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医者はもう手の施しようがないと言ったが、せめて死に水だけでもと願った。
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彼は愛する妻に看取られ、死に水を与えられて静かに息を引き取った。
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