雲切れ
くもぎれ
名詞
標準
gap between the clouds
文例 · 用例
あわあわしい白ら雲が空ら一面に棚引くかと思うと、フトまたあちこち瞬く間雲切れがして、むりに押し分けたような雲間から澄みて怜悧し気にみえる人の眼のごとくに朗らかに晴れた蒼空がのぞかれた。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
と直ぐ出掛けようか、どうしようと、気抜のした姿うら寂しく、姉夫人も言なく、手を掛けていた柱を背に向直って、黒塀越に、雲切れがしたように合歓の散った、日曜の朝の青田を見遣った時、ぶつぶつ騒しい鍋の音。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
大空のどこか、吻と呼吸を吐く状に吹散らして、雲切れがした様子は、そのまま晴上りそうに見えるが、淡く濡れた日脚の根が定まらず、ふわふわ気紛れに暗くなるから……また直きに降って来そうにも思われる。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
時刻はやがて五つ(午後八時)に近い頃で、雲切れのした大空には金色の星がまばらに光っていた。
— 岡本綺堂 『経帷子の秘密』 青空文庫
いいあんばいに途中から雲切れがして来まして、細かい雨の降っている空のうえから薄い日のひかりが時々に洩れて来ました。
— 岡本綺堂 『停車場の少女』 青空文庫
好い塩梅に途中から雲切れがして来まして、細い雨の降つてゐる空の上から薄い日のひかりが時々に洩れて来ました。
— ――「近代異妖編」 『停車場の少女』 青空文庫
樹、丘、人家、それに連つて、ところどころ雲切れのしたさびしい夏の空が、さながらそつと持つて来て捺したやうに、静かに、錆びた沼の水の面に映つてゐるのを私は目にした。
— 田山録弥 『ある日の印旛沼』 青空文庫
少し雲切れがしているから、午過ぎからは明るくなるかと思いますが、なにしろ花時ですから不安心ですよ」 半分あけてある窓の間から、半七はうす明るくなった空をながめると、利兵衛は少しもじもじしていた。
— 弁天娘 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
長雨の後、ようやく雲切れから青空がのぞいた。
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飛行機から見下ろすと、雲切れの向こうに街が見えた。
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雲切れの瞬間を狙って、山頂からの眺めを写真に収めた。
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