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甘み

あまみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
それかと言ってルノアルふうの風景小品にもルノアルの甘みは出ていない。
寺田寅彦 昭和二年の二科会と美術院 青空文庫
そのために一種サディズムのにおいのあるエロティックな深刻味があって近代ドイツ派の好きな人には喜ばれるかもしれないが、甘みのすきな私にはこれよりももう一つの「裸婦」のほうが美しく感ぜられる。
寺田寅彦 昭和二年の二科会と美術院 青空文庫
やはり鋭いものの中に柔らかい甘みがある。
寺田寅彦 昭和二年の二科会と美術院 青空文庫
人間というものは甘みとか、苦しみとか臭さ、そういう性情が生活に適応して、そこに味いとか臭とか、或いは他の感覚が惹起するものなのです。
吉行エイスケ 孟買挿話 青空文庫
彼女は子供らしく、一度ちょっとドアの蔭へ顔を引込ませ、今度改めてドアを公式に開けて入って来たときは、胸は昔のごとく張り、据り方にゆるぎのない頸つき、昔のように漂渺とした顔の唇には蜂蜜ほどの甘みのある片笑いで、やや尻下りの大きな眼を正眼に煙らせて来た。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
如何にそれ等が渋堅い形を取っていようと、蒼空と大海原のような限りもなく窮まりもない時空の引伸し器に挟まれたなら、まるで縁日の芭蕉せんべいを焼くように、平たく展ばされ、脆くも軽く膨らまされて、もし割って食べられたら淡い甘みも付いていて、こどもの口にさえ、さぞおいしいようなものでしょう。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
あの、底に甘みを帶びた、美人の白い膚のやうな花盛りを忘れない。
泉鏡太郎 春着 青空文庫
△下川千秋――『いでゆ』湯殿からあがる湯気で画面の描写を節約した感じ、素朴な甘みはある。
美術論・画論 小熊秀雄全集−19− 青空文庫