旧門
きゅうもん
名詞
標準
文例 · 用例
三つには歌の旧門下と私との間に起つた不祥事が私を愈々沈鬱にさせて了つたのであつた。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
榛軒の妻は蘭軒の旧門人塩田楊庵に猫を葬ることを託して、金二朱を裹んで寺に布施せしめた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
)御従弟、横浜住居之おとし殿及旧門下之仁にも(中略)御為知申上候事に御坐候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
これは主人の旧門下生より来たので誰が見たって一見して意味がわかるはずであるのに、迂濶な主人はまだ悟らないと見えて不思議そうに首を捻って、はてな今年は猫の年かなと独言を言った。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
この寒月という男はやはり主人の旧門下生であったそうだが、今では学校を卒業して、何でも主人より立派になっているという話しである。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
歿後二十五年、旧門下追慕|措カズ、大方ノ喜捨ヲ請フテ之ヲ建ツ。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
ただ旧門下で小謡組であった佐藤文次郎氏が毎年忌日忌日に参詣するほか、藤原宏樹氏、柴藤精蔵氏が時折参詣するばかりで、正月の元旦に梅を持って参詣に行く事にきめていた筆者もその後怠り勝ちになって、勝手な時や序の時に立寄って拝む位の不孝さに陥っていた。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
然るに昨昭和八年の七月初旬に例年の如く只圓翁の墓を訪うた佐藤文次郎氏は、「梅津只圓翁墓」と刻んだ墓石がいつの間にか「梅津家累代墓」一基に合葬されてアトカタもなくなっているのに驚き、急に主となって奔走して旧門下古賀得四郎氏、同柴藤精蔵氏、同筆者等に謀った結果、銅像建設の議が起った。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫